本研究会は、夏休みの間は、活動を中止していましたが、
メンバーは個別に思考力育成のためのカリキュラムや実践などを行いました。
ひとつは、すでに報告しましたが、ミャンマーの教育大学における「考える授業」の実践です。
その他には、来年から開校する関西大学初等部の「考える科」に向けてカリキュラム開発を行っています。
秋学期以降の活動としては、次の2つを考えています。
(1)引き続き、月に一度の研究会を実施します。
次の研究会は、10月3日(土曜日)です。
(2)「思考力育成のためのカリキュラム開発」
できれば、一般向けに書籍として出版したいと考えています。
以上の2点が今年度後期の活動になる予定です。
2009年9月29日火曜日
2009年9月18日金曜日
シンキング・ツールを活用した授業づくり研修@ミャンマー

帰国当日、黒上先生による「シンキング・ツールを使った考える授業づくり」に関する研修を実施した。
今、ミャンマーでは日本の支援を受けて学習者中心型教育(CCA/LCA)を促進している。
私もJICA専門家として関わっているのだけれど、
従来の教育方法(先生にとって)、学習方法(生徒にとって)を変えるというのは
そう簡単ではない。
それでも、少しずつ学習者に学習のオーナーシップを持たせて、
自律的に学習するように促がせるようにはなってきている。
この取り組みは、もう3年以上継続されているのだけれど、
一番の問題は「思考」の部分。
ひとつは、先生自身が「考える」ということを訓練されてきていない、
つまり、いわれたとおりにしかしてこなかったため、
児童・生徒を「どう支援するかを考え」たり、
「どう授業をデザインするかを考え」たり、
「何が問題で、どう解決すればいいかを考え」たりすることが得意ではない。
もうひとつは、児童・生徒も暗記中心の勉強しかやってこないかったため、
「自分で考えてやってみなさい」といわれたところで、何をどう考えるかが分からない。
この問題は、CCA/LCAを推進していく上で問題の中核のひとつだった。
そこで、黒上先生に、「何をどう考えばいいのか」というテーマで、
研修を実施してもらうことになった。
まずは、「考える」ということことはどういうことか?
「思考」とはどういう分類があるのか?
それを「どう支援する」のか」というところからスタートし、
実際にミャンマーのカリキュラムに合わせて授業案を作ってもらった。
これまで、「考える授業」「考えさせる質問」ということが意味も分からず
簡単に使われてきたけれど、今回の研修を通して、
「考える」ということをひとつブレークダウンして「考える」ことができるようになったと思う。
*
この研修までの1週間、黒上先生の献身的な指導のもと
カウンターパートが自分たちで授業プランをたて、実践して、デモ授業ビデオを作った。
何度も何度も黒上先生と議論を重ねて作った授業は、
彼らにとっては、とても価値のあるものだったに違いない!
同僚たちの言葉がより専門的、実践的になっていくのを見て、
なんだかとても嬉しい気分になった。
「分からないことが分かってくると、次に知りたいことがでてくる」
そういっていた同僚を私はすごく誇りに思う。
こうやって一緒に発展していっているという感覚は、
私にとっても、同僚にとっても、プロジェクトへの強い帰属意識につながり、
強い連帯感と責任感を醸成していると思う。
一緒に活動する月日を重ねるごとに、楽しくなっていく。
こういう感覚、なんかいいなぁ~と思いながら、帰路についた。
シンキング・ツールを活用した授業実践@ミャンマー(1)
2009年度 第3回目HOT研究会
日時 7月12日
場所 関西大学 高槻キャンパス
プログラム
15:00-15:45 メタ認知(メタ認知)
15:45-16:15 メディアを活用した情報教育の実践 (江守先生)
16:15-17:00(17:15) プロジェクト学習の実践 (出水先生、勝田)
次回の研究会は10月3日にします。
夏休みの間、院生はほぼ全員海外なので。
9月は学会シーズンなので、専攻研究やいい実践報告があればみんなで報告しあいましょう!
場所 関西大学 高槻キャンパス
プログラム
15:00-15:45 メタ認知(メタ認知)
15:45-16:15 メディアを活用した情報教育の実践 (江守先生)
16:15-17:00(17:15) プロジェクト学習の実践 (出水先生、勝田)
次回の研究会は10月3日にします。
夏休みの間、院生はほぼ全員海外なので。
9月は学会シーズンなので、専攻研究やいい実践報告があればみんなで報告しあいましょう!
2009年度 第2回目HOT研究会
日時 6月21日
場所 関西大学 高槻キャンパス
プログラム
13:00-13:45 理論編(1)創造的思考 (遠海)
13:45-14:30 実践編(1)国際交流学習における児童の認知活動を支援するシンキング・ツールの活用事例(岸)
14:30-15:15 実践編(2)総合学習または国語科における児童の認知活動を支援するルーブリック活用事例(三宅先生)
15:15-15:30 今後の方向性について ブックレット発行にむけて
場所 関西大学 高槻キャンパス
プログラム
13:00-13:45 理論編(1)創造的思考 (遠海)
13:45-14:30 実践編(1)国際交流学習における児童の認知活動を支援するシンキング・ツールの活用事例(岸)
14:30-15:15 実践編(2)総合学習または国語科における児童の認知活動を支援するルーブリック活用事例(三宅先生)
15:15-15:30 今後の方向性について ブックレット発行にむけて
2009年度 第一回目HOT研究会
日時 4月26日(土曜日)
場所 関西大学 千里山 大学院棟
プログラム
10:00-10:15 黒上先生 「思考」と「思考力育成」をどう捉えていくのか
10:15-10:45 岸 「理解」はどう研究されてきたのか(理解とは何か)
10:45-11:15 坂田 算数・数学における理解(理解とは何か)
11:15-11:45 今野 協同的問題解決(おもしろ思考のラボラトリー)
11:45-12:20 三宅先生の授業実践から「思考力育成」を考える
12:20-12:30 次回のお知らせ
第一回目のHOT研究会では、思考研究についての理解を深めるため、
以下の2つの本を輪読しました。
佐伯胖(2007)理解とは何か.東京大学出版 2章「算数・数学における理解」
佐伯胖(2007)理解とは何か.東京大学出版 5章「理解」はどう研究されてきたのか
場所 関西大学 千里山 大学院棟
プログラム
10:00-10:15 黒上先生 「思考」と「思考力育成」をどう捉えていくのか
10:15-10:45 岸 「理解」はどう研究されてきたのか(理解とは何か)
10:45-11:15 坂田 算数・数学における理解(理解とは何か)
11:15-11:45 今野 協同的問題解決(おもしろ思考のラボラトリー)
11:45-12:20 三宅先生の授業実践から「思考力育成」を考える
12:20-12:30 次回のお知らせ
第一回目のHOT研究会では、思考研究についての理解を深めるため、
以下の2つの本を輪読しました。
佐伯胖(2007)理解とは何か.東京大学出版 2章「算数・数学における理解」
佐伯胖(2007)理解とは何か.東京大学出版 5章「理解」はどう研究されてきたのか
高次思考力育成プロジェクトについて
高次思考力育成プロジェクト
高次思考力育成プロジェクトは2006年に発足したプロジェクトで、当初は「シンキング・ツール活用プロジェクト」という名称を使っていました。シンキング・ツールとは、欧米で思考力育成の方法のひとつとして活用されている教育メディアです。「考え方」を示す図形が紙に書かれていて、その図形をもとに情報を整理したり、分析したり、流れをつかんだりすることができます。プロジェクト発足当時は、子どもが「考える」ことを如何に支援していくのか、という観点からスタートしました。吹田市の小学校・中学校を対象に実践ベースで活動をしてきましたが、実践を通して、児童・生徒の「考える」という意欲や態度を促すためには、教育メディアだけではなく、教師および児童の学習観、知識観が強く影響を及ぼすことが分かりました。そこで、1年間を通して全教科で高次思考力育成に取り組んでいた岡山県津島市の小学校の三宅先生と共同研究をはじめ、シンキング・ツールを活用する際にどのような要因が児童の思考活動を支えているかについて分析することになりました。1年のフィールド調査を終え、児童の思考活動が学級文化と切り離せないこと、その学級文化を形成するものとして教育メディアだけではなく様々なメディアが重要な役割を担っていることが分かりました。今年度(2009年度)からは、高次思考力育成に関心のある大阪府の初等・中等教育の教員、学生合わせて約15名が月に1度の頻度で研究会を開き、自らの実践や研究を共有し、「子どもに考えさせるための授業づくり」について取り組んでいます。関心のある方がいましたら、関西大学総合情報学部 黒上晴夫先生宛にご連絡ください。
高次思考力育成プロジェクトは2006年に発足したプロジェクトで、当初は「シンキング・ツール活用プロジェクト」という名称を使っていました。シンキング・ツールとは、欧米で思考力育成の方法のひとつとして活用されている教育メディアです。「考え方」を示す図形が紙に書かれていて、その図形をもとに情報を整理したり、分析したり、流れをつかんだりすることができます。プロジェクト発足当時は、子どもが「考える」ことを如何に支援していくのか、という観点からスタートしました。吹田市の小学校・中学校を対象に実践ベースで活動をしてきましたが、実践を通して、児童・生徒の「考える」という意欲や態度を促すためには、教育メディアだけではなく、教師および児童の学習観、知識観が強く影響を及ぼすことが分かりました。そこで、1年間を通して全教科で高次思考力育成に取り組んでいた岡山県津島市の小学校の三宅先生と共同研究をはじめ、シンキング・ツールを活用する際にどのような要因が児童の思考活動を支えているかについて分析することになりました。1年のフィールド調査を終え、児童の思考活動が学級文化と切り離せないこと、その学級文化を形成するものとして教育メディアだけではなく様々なメディアが重要な役割を担っていることが分かりました。今年度(2009年度)からは、高次思考力育成に関心のある大阪府の初等・中等教育の教員、学生合わせて約15名が月に1度の頻度で研究会を開き、自らの実践や研究を共有し、「子どもに考えさせるための授業づくり」について取り組んでいます。関心のある方がいましたら、関西大学総合情報学部 黒上晴夫先生宛にご連絡ください。
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